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整体師資格と整体師になるための方法
整体とは
整体師とは、柔道整復師や鍼灸師、マッサージ師とは別のものです
整体師になるには はこちら
日本で、一般に整体と言われていることばには、マッサージや鍼灸や整骨も含まれています。
しかし、医療の専門家からは、整体ということばは、国家資格である鍼灸師(正確には、「はり師」と「きゅう師」という別の資格)や同じく国家資格の柔整師やあん摩マッサージ指圧師からの立場からは、整体とは、それらの資格ではない、別の仕事範囲をさします。
具体的に言えば、
「整体とは、体全体の骨格を形作る関節(脊椎・骨盤・肩甲骨・四肢・顎関節等)の歪み・ズレの矯正と、骨格筋のバランス調整等を、主に手足を使った手技(道具は、あくまで補助として使用する)にて行う事で体を整え、体幹から四肢への脈絡の流れを良くし、脈絡改善によって各症状の改善を図る民間療法である。整体師の技術系譜は、あん摩、マッサージ、指圧とはまったく異なるもので、人体表面を手技によって刺激することはない(道具での刺激療法はある)。
施術自体は(整体)操法とも呼ばれる。」
とwikipediaにまとめられています。
ここで重要なのは、整体師はマッサージを行ってはならないということです。(詳細は、このページの下のほうにあります)
整体師になるにはについて詳述する前に、
柔整師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格について簡単に述べておきます
柔道整復師(略称:柔整師)の資格
整骨院、接骨院という看板のあがっている治療院には、柔整師がいます。
一昔前は、接骨院という看板やほねつぎのほうが多かったです。
柔整師も接骨師と呼ばれていました。
柔道整復師になるには、国の認定した、柔道整復師養成の学校を卒業し、その後、国家試験に合格していないといけません。
大変よく勉強されている先生が多いです。
wikipedia から引用しますと、
免許の取得については、現行の柔道整復師法で以下のように定められている。
柔道整復師は国家資格であり、その免許は厚生労働大臣が与える。
1989年(平成元年)の柔道整復師法改正までは、都道府県知事が試験を行っていた。1993年(平成5年)に第1回の柔道整復師国家試験が実施され、毎年1回の試験が行われている。
受験資格を得るには、次のいずれかにおいて三年以上、解剖学、生理学などを学ばなければならない。
文部科学大臣の指定した学校
厚生労働大臣の指定した柔道整復師養成施設
とあります。(以上で引用終り)
柔道整復師は、独立開業することができます。
一般には、◯◯整骨院、〇〇接骨院 という名称で開業している場合が多いです。
はり師、きゅう師の免許も同時に取得して、
◯◯鍼灸整骨院 という看板をあげている場合もあります。
自分が柔整師資格だけであっても、鍼灸師を雇用して、鍼灸整骨院という看板をあげている場合もあります。
整骨院、接骨院には低周波治療器などがおいてあり、ベッドも沢山おいてありますね。
保険治療ができるので、患者にはありがたい治療院です。
整骨院でも、ハリなどは30分~40分くらいかけてじっくり治療してもらうのになると保険適用外の実費になります。
柔道整復師になるための学費
柔道整復師の資格をとるための学校を卒業するには3年で大体500万円以上がかかります。柔整師国家試験は、学校卒業者にのみ受験資格があります。
最近は4年制の大学にも柔道整復学科があります。大学の場合は4年制なので、3年終了時に国家試験受験資格ができるので、この段階で全員受験します。4年目は国家資格を持ちながら大学生としての残りの単位を取得することになります。
柔整師には、鍼灸師の免許を合わせて取得する人も多いです。どちらも夜間部があるため、ダブルスクールと言って、昼間は鍼灸学校、夜は柔整学校に同時に通学して3年で同時に免許を取得し終わるツワモノもいます。そうでなければ、柔道整復師と鍼灸師の免許を両方取得するのに6年間学校に行って卒業しなければいけません。
学費は両方で1,000万円はかかることになります。
柔整師の業務と年収,収入
業務は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、肉離れの治療です。これらが保険の適用対象となります。
湿布をすることができます。レントゲンは撮れません。レントゲン医師の指導のもと、診療放射線技師ができるだけです。
保険治療ができます。それに伴って、診療請求事務が必要になります。よってそのレセプトのために必ず事務員が必要になります。
元来、大戦中に、外科医の手助けをする補助業務をしたこともあって、その経緯から外科(整形外科)の補助機関と見なされていて、医師ではありませんが、保険請求ができます。
よって、柔整師は、高収入が取れる資格で、整骨院を上手に経営し、平均的サラリーマンよりはるかに高収入で、外車に乗るような柔整師も15年くらい前までは多くいました。
しかしながら、最近の規制緩和を受けた有資格者増加によって、競争が激しくなり、高収入とは言えなくなってきました。
また開業時には諸々の機器が必要になりますので、開業資金も1,000万円以上のかなりかかってきます。養成学校の学資のほかに開業資金を貯蓄しておくことが必要です。2000万円以上がかかるということです。
また整骨院・接骨院は、一人では経営できないので、治療家としてだけでなく、経営者・オーナーやリーダーとしての手腕も問われるのが柔道整復師です。
どこかに柔整師が勤務した場合は、専門誌の求人欄を参考にすると、医療機関(個人医院が多い)や福祉施設では初年度概ね月20~35万円位で募集をかけているようです。接骨院も大体同じくらいで、年収換算すると240万~420万円になっているようです。
余談ですが、病院・医院は医師でなくても経営できるように、整骨院の経営者は必ずしも柔整師である必要はありません。
ですので、法人が経営する整骨院・接骨院に、雇われ院長として就職するということもできます。
その時に必要なのは、治療家としての腕は勿論ですが、患者さんの側に立てるコミュニケーション能力や、一緒に働くスタッフをまとめあげるリーダーシップも必要になります。
院長と言われてスタッフの長としてやっていくには、そのような高い能力が要求され、それに応えることで収入もついてくるのです。
柔道整復師の年収
勤務柔整師で年収300万円~400万円
開業すると、
柔整師は年収360万円~800万円ですが、年々減る傾向があります。
(勤務医師の年収は現在700万円ほど。もっと低い人もいるのが実情。開業医で平均年収1000万程度。2000万円の人は成功の部類)
ただし、柔道整復師が開業する場合は、ベッド数も5,6台は必要ですので、それぞれに機器類を備えるので、設備費が相当かかります。最低でも開業費用1,000万円を用意する必要があります。
柔道整復師業界の現状と将来
柔道整復師は、2005年には、資格保持者は、約5万人でしたが、その後の養成学校の増設により、2009年には約67,000人に増加しています。
整骨院、接骨院の数は全国で約38,000(平成22年現在の統計)です。上位3県は大阪の5,966件、東京の4,841件、埼玉の2,248件となっています。
人口比率で言うと、大阪や埼玉が多いのです。
その結果過当競争を招き、柔整師一人ついて報酬が低下するようになりました。
しかし、報酬をあげようと、患者さんの申告した症状が肩こり(保険適用外)であるのに、適用対象の打撲やねん挫として保険請求をしているところが多く、2010年10月の会計検査院の報告ではそのような不正請求が6割以上あったとされています。また同報告では、施術部位が一般的には1~2ヶ所なのに、3か所以上として保険請求されているのが、16都道府県で約18,000人もいたことが判明しています。(平成22年10月)
国民医療費は、2007年度の統計では、34兆1360億円(前年度比3.0%増)ですが、そのうち柔整師による療養費は、3377億円(前年度比5.1%増)になります。
不正請求が、つまり国民医療費増加の原因にもなっているわけです。2010年6月からはその対策として、給付率を下げるなどの算定基準下げが行われ(=柔整師の収入低下になります)ました。
2010年からは患者さんへの領収書の発行も義務付けられました。
算定基準下げが行われたのは医師も同じで、最近は医師の収入も大幅ダウンとなり、医院、病院の倒産も相次ぐようになっています。
業界では、本音として、「捻挫、打撲、挫傷、脱臼、骨折で生計を立てるのはまず無理だ。患者さんは大体半径5キロ以内が対象で、その中には整形外科もあれば、多数の整骨院もある。一日10人できれば良いほうだ」と言われるのもわからないではありません。
しかし、今後、さらに不正請求のようなことが続きますと、診療報酬の低下を招き、正しい請求をしている柔整師までもが、巻き添えをくってしまうことになりかねません。
一方で、自分の得意分野を打ち出して、繁盛させている柔整師、鍼灸や整体の実費治療を取り入れて患者さんの多様なニーズに応えている整骨院も存在しています。
はり師、きゅう師の資格
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
第1条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、
それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
上述したように、元来はり師ときゅう師は別の資格ですが、国家試験受験時には同時に受験しますし、共通問題も多いので、現実的には、ほとんどの受験者が両方の資格を取ります。(ごくまれに、はり師は合格したがきゅう師は不合格とか、逆の人があります)
よってはり師ときゅう師を総合して、一般的には鍼灸師と呼ばれていますし、本人も世間の慣例に従って、そのように呼んでいます。
wikipedia によると、
はり師及び、きゆう師の業務
「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」第一条により、鍼灸に関連する医療行為に関しては、医師による業務独占を部分解除する、という形で認められている。独立開業以外の鍼灸師の主な勤務先は、東洋医学科のある大学病院や病院、診療所、医院や鍼灸整骨院や鍼灸マッサージ院がある。
介護分野では鍼灸師の実務経験5年積めば介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格が得られる。
鍼灸師という資格は日本国内には存在しない。はり師、きゅう師がそれぞれ養成されている。平成元年までは「中学卒業後5年間以上もしくは、高等学校卒業後3年以上、厚生省の指定する養成校にて所定の科目を修め」る事で知事試験では受験資格が認められたが、平成5年度からの国家試験への移行に伴い、平成2年度より最終学歴は「高等学校卒業後3年以上」に改められた。
平成21年現在、各都道府県の盲学校、私立専門学校、国立大学1校、私立大学が数校ある。
免許
年に1度(2月下旬)に、はり師、きゅう師国家試験が行われる。
(以上で引用終り)
養成学校(専門学校や大学)に入学するには、高卒資格であることが必要です。
入学試験科目は、生物と国語の2科目とか、生物と他の1、2科目という形で実施しているところが多いですが、社会人経験者の受験者向けに論文と面接だけで終わるようなところも多いです。
入学試験は、冬ではなくて、9月や10月に行われるところもあるので、希望者は早い目に志望校の募集要項をチェッすべきです。
以前ははり師、きゅう師と言えば、視覚障害者が多かったのですが,近年の東洋医学ブームや自然回帰ブームもあって、高卒者特に女子が身体にやさしい治療方法ということで、入学者も多いです。
また、社会人経験者からの転職組の受験者、入学者も増加傾向にあります。
養成学校や大学では、経絡経穴学、東洋医学概論、東洋医学臨床論、鍼灸理論、灸理論のほか、解剖学、生理学、病理学概論、医療概論、衛生学・公衆衛生学、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、関係法規など約15科目を履修し、それらが国家試験の出題範囲となります。
免許は厚生労働大臣から与えられます。
なお、はりが治療として行えるのは、医師とはり師のみです。
鍼灸師になるための学費
学費は3年制の専門学校で約500万です。安いところで450万円、高いところで750万円です。内容は学費とは関係がありません。
また全日制のところ、午後からのところ、夜間部と就学時間が学校によって異なります。
あん摩マッサージ指圧師の免許を合わせて取れる養成学校は10数校しかありません。学費は500万円程度で、鍼灸師の免許だけが取れるところと変わりません。
またあん摩マッサージ指圧師の免許だけを取れる養成学校は、睛眼者向けの学校と盲学校とがありますが、数は少ないです。
鍼灸大学、大学鍼灸学部の場合は私立だと1000万円を越えるところもあります。
大学の場合は4年制なので、3年終了時に国家試験受験資格ができるので、この段階で全員受験します。4年目は国家資格を持ちながら大学生としての残りの単位を取得することになります。
鍼灸師資格の取れる大学
鍼灸養成の学校つまり専門学校なら3年制ですが、以下は大学なので4年制ですが、3年次終了時に国家試験を受験します。
国家試験合格後もまだ大学の課程はあと1年あることになります。
附属病院を持っている明治国際医療大学は、4年次からは医師の指導のもと病院各科をまわり、医学と鍼灸の勉学・研修をしています。
具体的には、
・明治国際医療大学(日本最初の鍼灸大学で旧称は明治鍼灸大学。鍼灸学だけの大学なのに、医師のいる大学附属病院があり(京都府立医科大学系)、入院患者や通院患者も多く、医療施設として地域貢献をしていて、鍼灸師をめざす学生にとっては、とても充実した環境である。また鍼灸学の大学院修士課程・博士課程もある)(京都府南丹市日吉町) 旧・明治鍼灸大学の前身は、明治鍼灸短期大学
・関西医療大学(鍼灸学の大学院あり)(大阪府熊取町) 旧・関西鍼灸大学←関西鍼灸短期大学
・森ノ宮医療大学(大阪市) 旧・大阪鍼灸専門学校
・東京有明医療大学(東京江東区)
・鈴鹿医療科学大学(鍼灸学の大学院あり)
・浜松大学・健康鍼灸学科
大学でない3年生の養成学校・専門学校には、あん摩マッサージ指圧師のコースも併設しているところもありますが、ここ15年くらいの間に新設された養成学校は鍼灸専科が多いです。
はり専門で行くと強い決意と覚悟がある場合は別として、卒業後の就職などを考えると、あん摩マッサージ指圧師の資格も合わせて取得できる数少ない鍼灸学校に入学したほうが有利です。
規制緩和では、鍼灸学校は増設されましたが、視覚障害者の職業保護のため、マッサージ、指圧の学校は増設されていません。
鍼灸師国家試験合格率 2009年
・あん摩マッサージ指圧師 84.4%
・はり師 78.7%
・きゆう師 78.4%
実施は毎年2月。合格率は近年これくらいで推移しています。
国家試験としては比較的通りやすいものと思います。
(医師国家試験の平均合格率は、毎年90%くらい(2010年は3年ぶりに90%を割り込み89.2%)で、70もの大学が合格率90%です。合格率と難易度とは関係がないかもしれません。司法試験は、合格率50%を越えるの法科大学院はたった5校です)
言えることは鍼灸の専門学校などを卒業すれば(必要単位があるのは大学と同じ)、8割近くの人は合格するということです。
鍼灸師が学ぶべき古典
・『素問』そもん 『黄帝内経』こうていだいけい の中にある
・『霊枢』れいすう 『黄帝内経』こうていだいけい の中にある
・『難経』なんぎょう
西洋医学的考え方で鍼灸をするのではなくて、古典的鍼灸をする人の基本となる古典的書籍です。
このような古典ですが、経絡経穴の考え方、中医学の考え方で、古典的治療をする鍼灸の大家・巨匠たちは、一人残らず上記の古典をベースに自分の臨床経験を積み上げて、それぞれの治療方法を確立させているわけです。
経絡・経穴などは見えないし、科学的に証明されていないから(そうでもないのですが)と言って、人間を筋肉と神経のかたまりと考えて西洋医学的見地からの鍼灸治療しかしない鍼灸師も大変多いのですが、上記の古典は、古人のいわば経験の集大成である以上、今一度再考の余地があるのではないでしょうか。
逆に、自分自身で、素問や霊枢や難経に書いてあることを学んで、一からそれを自身で実証して行き、それを臨床治療に応用していくというのではあまりに人生は短すぎます。
やはり、それらを天才的に読破解釈して、自分のものにしてしまう天才たちに、師事して学んで、まずはその巨匠の考え方と技術を修得するという方が、凡人の生きる道だと思います。
要するに、何事の世界でも、天才や一流という人がいます。自身を謙虚に見つめて、まずはそういう人に学ぶことが最短の道だということです。
北辰会、長野式鍼灸治療、東洋はり医学会、経絡テストなど諸派多くあります。(ここに挙げたのは自分が学んだや友人の治療家がやっているものです。他にも優れた流派がたくさんあるようです)
また、古典的立場に立ちながら、皮膚の電気抵抗を器械で測定することによって、治療が必要な経絡を自動的に診断することで治療を行う良導絡というものも根強く浸透しています。中谷医博の発明ということもあって、医師の支持が篤いです。鍼灸院というより、良導絡という看板をあげている所が多いです。
医師が古典を基に編み出した方法 『経絡テスト』
福岡大学附属病院の内科医に向野義人氏がおられます。彼は、父親が鍼灸師であったこともあって内科医としての診療を続けるうちに、東洋医学に目覚め、そして、福岡大学体育学部の大学院教授となったのをきっかけにスポーツ選手の治療法として、色々模索するうち、鍼灸治療が有効なのに気づきました。
スポーツ鍼灸をする鍼灸師は多いですが、その人達はほとんど古典的治療の考え方は取り入れず人間を筋肉と神経の寄せ集めと考えて治療している場合が多いのです(反感を買う言い方だったらおゆるしください。実際、考え方の自由だからいいのですが、古来から中国で発見された経絡(けいらく。体表の数百のツボを結ぶ14組のルート)の存在を認めていない鍼灸師も多いのです)。
ところが内科医の向野氏は、経絡の考え方を取り入れて治療すると、治療効果が高いことに驚いたのです。西洋医学、生理学、解剖学では決して経絡や経穴(ツボ)の存在は証明されていません。
しかしながら、それを仮説として取り入れると、効果があがるのです。
達人や経験の数が膨大な人だけがその効果が高いのであってはならないとさらに研究を続けるうちに、彼は、経絡テストを編み出しました。
まさに治療法を科学したのです。それが経絡という古典的考え方を基にしたところが画期的です。
鍼灸をされている方は、参考になると思います。
鍼灸に保険治療が認められないのは、鍼灸の治療と効果が鍼灸師によって差があり、治療効果を評価しにくいからであるようです。
しかし、だれが治療しても同じ効果のある方法論が確立されれば、それは鍼灸治療の保険治療適用を厚生労働省に認めさせるための要因と成り得ると思います。
向野教授の経絡テストは、文部科学省、厚生労働省の管轄下にある一部の鍼灸学校が、鍼灸実技カリキュラムとして取り入れました。
私自身は、経絡テストと操体法との関連付けに注目しています。
いわば、操体法の様々な手技を経絡的に理論付けするということです。
皆様の中にあるいはそれに着眼して、研究を進められる方が出現することも期待しています。
このあとの記事は、あん摩マッサージ指圧師についてです。
鍼灸師の業務と収入
はり師、きゅう師の資格取得後は、柔整師と同じく独立開業することができますが、柔整師と比較すると平均してかなりの低所得です。ですので、社会人で免許を取得しても以前の仕事を退職せずに、ペーパー鍼灸師になっている方もいます。(何の資格でもそういう傾向はありますが)
鍼灸院を開業しようとすると最低でも500万円がかかります。柔道整復師ほどの開業資金は不要です。
鍼灸治療を受けるお客さんは高収入の方が多いです。(一回の治療に5000円を支払って継続できるような経済状況の人)
収入=治療単価(3,000~10,000円と設定自由です)×一日の平均患者数×労働日数-必要経費(家賃、ハリ、備品などの消耗品)で計算すれば明白です。最初に、鍼灸学校授業料や開業のための設備投資もかかっています。鍼灸院は開業してもよほど忙しくならない限り事務員はなくてやっていけます。
一日4人も来客があれば、繁盛店と言われます。毎日コンスタントに4人の実費治療を受ける人が来てくれることはかなり大変です。
相当の治療技術と接客能力が必要です。
(4000円の治療費、一日平均4人の来院、実働26日として、384,000円の売上、5000円ならば、520,000円の売上、そこから家賃や消耗品の経費を引いて、税金を納めた残りが実収入です。自営業なので、税金を納めるのはあとになります。ほかに鍼灸師会の会費や賠償責任保険料などが必要になります)
柔整師が一般サラリーマンより高収入である場合が少なくないのに対して、鍼灸の収入は、残念ながら、ずっと低所得で、他の職業を兼業する場合も多いです。(会社やマンションを経営しながらという人もいます)若いうち、独身のうちならともかく、家族を養うということになると、家族の理解がないととても厳しい状況でしょう。
収益構造は同じですから、どこかの鍼灸院や病院・医院に勤務したところで、より高収入は望めないのがこの業界です。
理由の一つは、柔道整復師のように保険治療ができないからです。医師の同意書があれば保険請求もできますが、現実には医師の同意書を得ることが難しく、また保険請求してもそれが却下されることも多いです。
よって、施術に対しては、実費となります。60分を4000円から6000円で施術するのが大体の相場です。(定めはありませんが、地域の鍼灸師会ごとに標準治療費を定めている場合もあります)また一人に対する治療時間も長く、一日中施術に明け暮れるほど来院者が多いところは別として、どうしても低い収入になってしまいます。
しかも近年の規制緩和によって、全国に鍼灸師養成学校が新設され、資格保有者が数倍以上に激増したため、より鍼灸師の仕事は厳しくなってきています。
鍼灸師の学校卒業後の就職先
柔整師にしても鍼灸師にしても、学校のパンフレットには、過去の就職先の実績を列挙して、卒業後の就職先には困らないような印象ですが、実際は、学校に求人が来ているだけしかありません。
いくらあなたが在学中に真面目に勉強していようが、どんなに成績が良かろうが、求人がないものはないのです。
小生の卒業時期の場合も、「こんなご時世だからね。。。」と学校事務局は言っていました。
幸い親しくしていた上級生が勤めているところ(個人医院)に欠員ができたので、そこに勤めたのがスタートでした。
卒業後すぐに開業する人も若干いましたが、それらの人は学生時代から名人レベルの鍼灸師に弟子入りして、3年間に、診断術などかなり腕を磨いて、治療の自信をつけていた人たちでした。
独立開業せず、都会のクィックマッサージ治療院や病院のリハビリ科などに勤めて、鍼灸の施術より、むしろ、マッサージ業を主体として、サラリーをもらって生計を立てる人も少なくないです。
運動器系の治療に関心がある方は、スポーツ鍼灸をしたり、トレーナーになるという道を選ぶ人も増えてきました。
また学校を卒業し、免許を取得しても、養成学校の教育だけでは臨床ができないため、不断の勉学が必要になります。学校在学中から、師匠をみつけて、その指導を受けたりその研究会や勉強会に参加して研鑽する人も多いです。
そのような人の中には、施術技術を身につけ、人気のある鍼灸師になる人も多く、やりがいを感じている人も多いです。
鍼灸師の年収
勤務鍼灸師で年収180万円~240万円
開業鍼灸師で年間売上150万円~330万円~400万円
東洋療法学校協会の収入資料によると鍼灸師の29.4%が月収15万円未満(年収180万円以下)と言われていて、平均的日本人の収入を期待することはできませんが、鍼灸師には無欲な人が多いので、年収240万円ほどで割合多いと満足している人が多いのです。
平成20年度の日本人の平均年収は以下の通りです。
国税庁 平成20年 民間給与実態統計調査結果
ところで、平成21年の日本人の平均給与は500万円を割りました。
(小さいな声:地方公務員の給与は相当高いですよ。ある高卒の政令都市の地方公務員で清掃局のボイラーを管理している人は30代なかばで年収1000万円を越えていました。市バスの運転手さんも年収1000万円を越えるのです。開業医になって3年目の医師が、「やっと年収1000万円を越えた。でも公務員のかみさんの収入が凄い。公務員のこと知っていたら最初から医師にならずに公務員になったな}と言っていました
逆に、女性鍼灸師などのニーズが高いので、顧客を女性に絞るなどのターゲッティングなど、やり方によってはある程度繁盛する鍼灸院を開くことができます。
自宅を改造して家賃という大きな固定経費をかけないことで収益性を高めるなどの工夫をしている開業鍼灸師が増えてきています。
また何歳になっても出来る仕事としてはよい仕事です。
本来は、東洋医学は、とても優れた科学的医学なので、そのことが世間の常識になってくれば、それが顧客増加につながりますので、鍼灸師の収入も上がると思いますが、それには、まだまだ時間というものがかかります。
【参考:都道府県別月収・年収ランキング 2011】
先日、厚生労働省は2011年「賃金構造基本統計調査」の結果を発表した。労働者の給与やボーナスの金額を集計したもので、都道府県別の内訳も公開されている。
残業代などを除いた給与額が最も多いのは東京(月37万2900円)で、これは20年連続トップ。次いで、神奈川(32万9800円)、大阪(31万5600円)、愛知(30万8900円)、京都(30万8300円)となっている。
ボーナスや残業代を含めた「年収」でも上位5都府県の顔ぶれは変わらず。東京は595万7000円と断トツで、以下、神奈川(530万1200円)、愛知(509万1500円)、大阪(503万8800円)、京都(499万2300円)と続く。
鍼灸師の将来
女性鍼灸師の中には女性専科つまり女性だけを治療対象として、女性特有の疾患対象に治療をして、ニーズに応えて効果をあげ、成功している鍼灸師も多いです。
ホームページもよくできていますね。行きたくなります。
子供だけを対象とする小児はりをする治療院も昔からあります。
対象を女性や子供に絞り込むことで、かえって患者の増加があるのです。
自室や自宅の一部を治療室にして、家賃という大きな固定経費を削減するなどの工夫をして、収益を上げている方が増えてきました。
あるいは、何か自分の得意なことを見出して、それを全面に打ち出すというのも、他との差別化として、生き残れる賢明な方法です。
治療費の引き下げは決して良い方法とは言えません。
あそこの鍼灸治療は安いから行ってみようという人を増やすより重要なことがあります。(4000円、5000円が高い人には2000円だって高いのですから)
治療費を下げるよりも、自分の腕前、接客能力を向上させることが重要です。
自分の治療に料金相応の商品価値があまり見いだせないなら(自分の治療で4,000円、5,000円は高いと自分で思うなら)、治療費を下げることより、治療技術を磨くこと、研究を深めることが重要だと思います。
鍼灸師は、まじめな性格の人が多く、大半の方々はとても勉強熱心なのですが、職人気質で、とかく接客能力が欠けている人が間々見受けられます。
接客能力というのは、立て板に水を流すような流暢な会話力ということでは決してありません。そのようなものは、患者さんは敏感で誠意がない、治療効果がないと分かれば、二度と来院してくれません。
そうではなくて、接客能力というのは、患者さんの欲しているところ、悩んでいるところ、不安な点を感じようとする能力というか態度のことです。
独りよがり、独善では、いかに良いもの(鍼灸の治療方法や知識)を持っていても、社会に役に立つことはできません。
丁度、世の中に発明はゴマンとあるけれども、それを世間に売り込むことができないがゆえに、ほとんどが陽の目を見ずに埋もれてしまっているように、鍼灸がいかに素晴らしくても、鍼灸師のそういう態度が改善されない限り、世の中にハリ治療の本当の良さというものが知られることがないでしょう。
たとえば古典的な鍼灸治療をする鍼灸師に取っては、肩こりや腰痛のためだけに鍼灸があるとは思っていませんが、残念ながら、世の中のほとんどの人にとって、ハリ治療とは腰痛と肩こりだけのためにあると考えているのです。
逆子が「三陰交」または「至陰」のお灸で治せることが多いことは鍼灸師にとって常識中の常識でも、一般の人はそんなこと夢にも思っていないのです。
患者さん、お客さんが少ないことを嘆く前に、治療費を安くする前に、そういうギャップを改善するための努力が先決かもしれません。
このことからしても、鍼灸師の考えていることは何も人に伝わっていないということです。
営業能力というのはとかく敬遠されがちですが、世のサラリーマンが給料をもらってこれるのは、100%その会社の製品やサービスを営業してくれる人、宣伝してくれる人がいるからです。
営業力というのは、決して力で人にすすめるという意味ではありません。営業力とは、相手に伝える力と言ってもよいでしょう。
ですので、営業力といいますか、接客態度やコミュニケーション能力などが改善されるだけで、治療能力が変わらなくても、来院患者数が増えることもあると思います。
一生でたったの一度も鍼灸治療を受けない人も多く、ハリは痛いものだというイメージなどを払拭することや、ハリは科学的治療(中医診断学は最も科学的な医学とされています)だということを一般に認識してもらうような啓蒙活動も必要なのかもしれません。
元来、鍼灸は中国日本の伝統医学であり、江戸時代までは医師と言えば、鍼灸をするか、漢方薬を扱う医師が中心でしたが、明治維新の改革で、医学という範疇から伝統医学である東洋医学を排斥して、西洋医学だけにしてしまったことは残念です。
医師はハリはできるものの、医学部のカリキュラムに東洋医学は一切入っていません。やっと近年、東京女子医科大学など一部の大学で東洋医学が扱われるようになっただけです。
上で述べましたように、鍼灸に関連する医療行為に関しては、医師による業務独占を部分解除する、という形で認められているわけなのですが、伝統医学、伝承医学を一切排除してしまったのは日本くらいです。
お隣韓国でも、鍼灸師の身分処遇をめぐって、近年、業界人と政府との衝突がありました。
最近は医学部でもハリ、東洋医学を教えること所も増えつつあるのですが,医師が実際の臨床の場に立った時、保険請求制度のこともあり、実際には医師に鍼治療を期待はできないのが現状です。
というか、現実的に言って、西洋医学的思考回路になってしまった医師にはほぼ東洋医学的治療は無理なのです。
ですので、純粋な東洋医学的治療は、鍼灸師に期待されているのです。
鍼灸師の低い収入を上げるには、短時間で効果の高い治療方法を採用することもあるでしょうが、一度も鍼灸治療を受けたことのない人(統計はありませんが、かなり多いと思います)に対して、東洋医学、伝統医療の良さをアピールして、市場を開拓すれば、鍼灸治療の良さがもっと理解され、それが鍼灸師の報酬増として跳ね返ってくるものと思います。
時代的には、自然回帰、環境との調和が見直されつつある21世紀にはふさわしい治療だと考えています。
なお、漢方薬を扱えるのは鍼灸師ではなくて、薬剤師、医師だけです。
鍼灸学については、国際的評価は高いのですが,日本ではその良さの認識が低く、法的制度もいまだ充実していません。
あん摩マッサージ指圧師の資格
wikipediaによると
「あん摩マッサージ指圧師(あんままっさーじしあつし、英Masseur)とは、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格した者のこと。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律217号、「あはき法」と略す場合がある)に基づく国家資格である。按摩、マッサージ、指圧を行う。」
とあります。
あん摩マッサージ指圧師とともに、はり師、きゅう師の全ての国家資格を持つ者を、鍼灸マッサージ師もしくは三療師とも呼びます。
「あん摩マッサージ指圧師名簿」とは厚生労働省に備えられている国家資格者名簿で、医師でいうところの「医籍」に相当します。
これらは本来、別個の国家資格であり、
あん摩マッサージ指圧師の施術には医師の同意書により健康保険の療養費も適用されています。健康保険の療養費適用疾患は筋麻痺と関節拘縮等であり、医科との健康保険の併給は可能です。
あん摩マッサージ指圧師になるためには
鍼灸学校のあん摩マッサージ指圧過程を併設するところで併修するか、あるいは、あん摩マッサージ指圧師養成施設でその単位を取得して卒業後、国家試験を受験合格してなることができます。
あん摩マッサージ指圧師だけを養成する施設は、視覚障害者の職業を守る意味もあって、規制緩和後も学校は増設されておらず、数校だけに限られています。
学費は、あん摩マッサージ指圧師だけを取得する学校の場合、鍼灸科併設のより若干安くて、3年で450万円くらいです。
大学でない3年生の養成学校・専門学校には、鍼灸コースにあん摩マッサージ指圧師のコースも併設しているところもあり、そういう養成校を卒業すると、あん摩マッサージ指圧師の免許以外に、はり師、きゅう師の免許も取得できますが、ここ15年くらいの間に新設された養成学校は鍼灸専科が多いです。
マッサージや指圧専門で行くと強い決意と覚悟がある場合は別として、卒業後の就職などを考えると、はり師、きゅう師の資格とあん摩マッサージ指圧師の資格も合わせて取得できる専門学校に入学したほうが有利です。
規制緩和では、鍼灸学校は増設されましたが、視覚障害者の職業保護のため、マッサージ、指圧の学校は増設されていません。
マッサージスクールという名称の民間学校、民間講習は、国家資格のマッサージ師は取得できません。
厳密に言えば、マッサージスクールという名称自体が、法律違反と言えます。
しかしながら、マッサージスクールという名称をつけていても、自分のところは整体スクールだと主張して、逃げています。
あん摩マッサージ指圧師の業務と収入,年収
業としての内容はあん摩、マッサージ、指圧の各手技(なでる・押す・揉む・叩くあらゆる行為)を用いて人体の変調を改善する施術者です。器具は用いません。
今無資格でマッサージをしている人、そうさせる業者が多いですが、マッサージができるのは国家資格のあん摩マッサージ指圧師だけです。
鍼灸マッサージ治療院、鍼灸整骨院、訪問マッサージ事業会社、病院・診療所の整形外科・理学療法科・リハビリテーション科に勤務する場合も多いです。
病院併設の老人介護施設で機能訓練指導員となることができます。
柔整師や鍼灸師と同じく、独立開業が出来ます。
どこに開業するか、自宅を使うのか、店舗やマンションを借りるのかによって多少変わりますが、開業資金は500万円ほどと思っておいてください。
独立開業しても、出張専門でマッサージ業務をするマッサージ師、指圧師もいます。この場合は開業資金はほとんどかかりません。
独立開業しても、収入としては、けっして高収入というわけにはいきません。
特に都会では、短時間のマッサージを繰り返してお客を回転させて、ニーズを満たすいわゆるクイックマッサージ店の出現と共に、従来の指圧専門の治療院、マッサージ治療院は苦境に立たされています。
しかしながら、技術を磨いたり研究を続けたりして、患者さんのニーズに応えてなくてはならないマッサージ師・指圧師として活躍している人もいます。
ハリや諸々の機器を使わず、自分の身体だけ、技術だけで勝負できるので、その意味ではやりがいがある仕事かもしれません。
またマッサージは指圧は端的に気持よさという感覚に訴えるので、お客さんの満足度は高いです。治療をしてもらったという満足感と引換に数千円の治療費を支払ってくれます。
ただ、マッサージ師、指圧師は針灸師や柔整師に比較して、体力を使います。特に指に力がモロにかかるので、正しい方法を習得していないと、指を痛めて治療家としてやっていけなくなります。
やはり治療技術をしっかり身につける必要があります。
ちなみに一般の予想とは反して、大きな身体をマッサージしたり指圧したりするより、はるかに疲れるのはフェイシャルマッサージやリンパマッサージです。
整体学校で整体と称して、リンパマッサージなどを教えてごまかしている学校が多いですが、とても疲れます。またそういうスクールでは筋肉をもみほぐすことを整体として教えています(それは整体ではありません)が、これまた大変に疲れるわざで、一日にとても10人はできません。
マッサージ院や指圧院の店舗内を明るくしたり、治療室の清潔感、かわいらしさを打ち出して女性客にも安心してもらえる環境にして、対話を深めることによって、固定客をしっかりつかんでいる治療家も多いです。
その辺は、逆にクイックマッサージ店から学べばよいのでしょう。
マッサージ指圧師の平均年収
勤務マッサージ指圧師で年収200万円~300万円
開業マッサージ指圧師で年収180万円~600万円
鍼灸師よりかなり高いのです。
SOT操体整体学院生(3年制)の内容を知るa:50677
痛くない整体=操体法が大阪で学べます
しばしば整体は身体を傷めるやり方がありますが、宮城県の医師の創案した操体法(そうたいほう)は身体を気持ちの良い方向にゆっくりと動かすだけなので身体を傷めることがありません。それどころか、痛みが取れてしまうのです。